水は生命にとって、必要不可欠なものです。それは、体の大部分が水分だからです。人体の水分の約10％を失うと生命の危険が高くなり、20％を超えると死に至るとされています。人は食べ物を口にしなくても、水さえ補給していれば数週間は生きられますが、水がなければ数日で命を失うとされる生命の源です。

水は栄養分を溶かし、身体の隅々まで運ぶ役割があります。また、代謝による老廃物や体内毒素・有害物質を排出するのも水です。さらに、発刊作用や排尿による体温調整も担っています。人の細胞は日々生まれ変わっていますが、水分が十分でなければ必要な栄養素を摂取しても上手く溶かす事もできず、また全身に行き渡りにくく、代謝に影響を及ぼし、排出に関しても効率が低下してしまいます。便秘になるまいと食物繊維を多く摂ったとしても、排出に必要な水がなければ宿便は当然のこととなります。

人は１日に平均2.3lもの水分を皮膚・肺・腸・腎臓などを通して排出しているようです。しかし、日本人の平均水分摂取量は１日約1,200ｍlといわれています。毎日約800ｍlの水分が不足していることになります。食事等で水分を摂っているように思っていても、水分が不足するのは現代の食事に含まれる毒素を排毒するために相当の量の水を必要とするからです。栄養補給やデトッス（毒素排泄）の基本は水分補給。水があってこそ栄養素が全身に行き渡り、老廃物の排出まで正常に行うことができるわけです。

「人体の60％は水である」と良く耳にしますが、正しくは年齢とともに人体の保水量は変化します。年代別の水分率は、乳幼児が80％、成人で60～70％、高齢者になると50～60％となってくるようです。原因は単純で、水分補給量が体内から出て行く水分量より少ないからです。水分量が低いと皺（しわ）が増え、肥満度が高いと保水量は低下します。水が十分に摂取できている人は、高齢者であっても肌に艶と張りがあり若々しいのです。人間が必要とする水分の殆どは、何かを飲むことで補給されます。水は素早く体内に吸収される液体で代わるものは何もありません。